焼く、煮る、蒸す、揚げる、炒めるといったさまざまな料理ができ、しかもガス、IH、炭火、焚火など熱源を選ばずアウトドアでも普段使いでも、マルチに活躍するのがダッチオーブンです。
この記事では、ダッチーオーブンを使いこなすためのお手入れ方法を紹介します。
素材別ダッチオーブンの必要性
ダッチーオーブンといっても、素材や形など、いくつかの種類が存在します。
主な素材は、鋳鉄(ちゅうてつ)・ステンレス・黒皮鉄板の3種類。
形は様々ですが、お手入れの仕方という点で知っておきたいのは、やはり【素材】です。
ではそれぞれの特徴と、どのような手入れが必要なのかを見ていきましょう。
鋳鉄製ダッチオーブン
鋳鉄は、主成分である鉄に炭素を含め固めた鉄の合金です。鋳鉄でできた製品は、鋳物(いもの)と呼ばれます。
主成分は鉄ですので、何もしなければやはり錆びてしまいます。
そのため、調理の前には「シーズニング」と呼ばれる油で被膜を作る油ならし作業が必要になります。
※「シーズニング」についてはこちら↓
また、調理後再びサビを作らないために、手入れが必須です。
鋳鉄製のダッチオーブンは、ステンレスや黒皮鉄製の製品と比べると安価で購入できるので、数種類そろえて使い分けることもしやすいです。
なんといっても武骨なフォルムにテンション上がりますし、愛着も湧いてきます。手入れも楽しみの過程と考えられる方にはオススメです。
ステンレス製ダッチオーブン
ステンレス製ダッチオーブンの特徴は、なんといってもサビにくいことです。
使用前のシーズニングも不要ですし、力を入れてたわしでゴシゴシこすり洗いしても大丈夫。
熱伝導が低いので、鍋の温度を上げる時間がかかります。
が、一度温まってしまえば、鋳鉄製と同様に冷めにくく、温かさをキープできます。
とにかく手入れが楽なほうがいい、というかたにはオススメです。
黒皮鉄製ダッチオーブン
黒皮鉄板は1枚の鉄の板から作られ、黒皮と呼ばれる酸化被膜でコーティングされています。
丈夫でなおかつサビにくい素材です。
調理後は腐食を防ぐため、きれいに洗って薄く油を塗っておくだけの、簡単な手入れが必要です。
鋳鉄製のものは熱い状態の中に冷水を注ぐと、温度差により割れる可能性がありますが、もともと一枚板の黒皮鉄板はその心配がありません。
素材別ダッチオーブンのお手入れ
素材別にダッチオーブンのお手入れ方法を紹介していきます。
※基本的に、蓋の手入れも本体と同様です。
※「油」と出てきますが、シーズニングに使う油は塩分を含まない植物油を使用してください。(サラダ油、こめ油、オリーブオイルなど)
バターやマーガリンといった塩分を含んだものは使わないでください。
鋳鉄製ダッチオーブンのお手入れ
1、なるべく早く洗う
調理が終わったら(もしくは食事が終わったら)、なるべく早く洗いましょう。
食材をそのまま放置しておくと、食材が持つ酸や水分で表面の油分が分解され、鉄臭くなる場合があります。これはサビの原因にもなります。
時間をかけて食べる場合は、別皿に移すことをおすすめします。
【焦げ付きがある場合】
焦げ付いてしまった場合は、お湯か水を入れて再び火にかけます。沸騰したら火を止め、10分程度放置しておきます。
木ベラを鍋底にあて、やさしくなでるように焦げをこそげ取ります。たいていの焦げは簡単にはがれます。焦げが頑固な時はもう少し時間をおいてみてください。
焦げがはがれたら、たわしを使ってお湯できれいに洗い流します。
【焦げ付きがない場合】
焦げが特にない場合は、たわしを使ってお湯で汚れを洗い流します。
【汚れがひどいと感じるとき】
私の場合、食べ物の汚れや油が多いときは、洗剤を少量使って洗っています。
洗剤を使わないほうが良いとされていますが、食べ物の汚れや油汚れが頑固な場合は衛生的にどうかと思うのです。
シーズニングがされていれば、よっぽど力を入れてこすらなければ、洗剤を使っても剥がれ落ちることはありませんし、剥がれるとしたら、洗剤ではなく調理の際の焦げや成分的なものが原因である場合が多いです。
2、火にかけて乾燥させる
きれいに洗い流したら、水滴を軽く拭き取り中火にかけて乾燥させます。
3、油を塗り再び火にかけて空焼きする
2で乾燥させたダッチオーブンの粗熱が取れたら、全体に油を薄く塗り再び中火にかけます。
煙が収まるまで10分程度焼き、火を止めてそのまま自然に冷まして保管します。
【油の膜がしっかりとあるとき】
2の乾燥させた段階で、ダッチオーブンが油の膜でピカピカと黒光りしているときは、そのまま自然乾燥で保管します。
2の段階で、ダッチオーブンの状態が、ツヤがなく、マットなグレーになっているようだったら油膜が剥がれ落ちている可能性があります。その時は3の工程に進んでください。
わかりづらい場合は、乾燥させた後に乾いたキッチンペーパーでこすってみてください。シーズニングが剥がれていると、キッチンペーパーに黒や茶色の鉄が付着します。
参考までに・・・
3の工程をやっておくと、次の料理が楽になりますが、毎回やるのは大変ですしガス代もかかるので、私は3回に1度くらいの頻度でやっています。
また、酸が多い食べ物を料理すると剥がれるので、そのたびにシーズニングしています。
ステンレス製ダッチオーブンのお手入れ
1、洗う
ステンレス製のダッチオーブンのお手入れは簡単です。
普通に食器を洗う中性洗剤とスポンジやたわしを使って汚れを落とします。
焦げ付きがあるときは、お湯を入れてしばらく置いておくと簡単に剥がれます。
2、乾燥させる
水分をしっかり拭き取り乾燥させてから保管します。
火にかけて乾燥させることもできます。その場合は火を止めて自然に冷めるのを待って保管すればOK。油を塗る必要はありません。
黒皮鉄板製ダッチオーブンのお手入れ
1、洗う
たわしを使ってお湯で洗い流します。
焦げ付きがあるときは、お湯か水を入れ火にかけ、沸騰したら火を止め、10分程おいてから洗ってみてください。
汚れがひどいときは中性洗剤を使いお湯で洗い流しましょう。洗い残しはサビの原因となります。
2、乾燥させる
水分を軽く拭き取り、再び火にかけてしっかりと乾燥させます。
3、油(植物油)を塗る
最後に油を薄く塗って完了です。
ダッチオーブンの保管方法
鋳鉄製ダッチオーブンの保管方法
普段使いする場合は、なるべく湿気がたまらない風通しの良い場所で保管しましょう。
本体と蓋の間に、菜箸や細い木をはさんでおくのがオススメです。
【長期間使わないとき】
しばらく使わないときは、新聞紙やキッチンペーパーなどを入れて湿気対策をしましょう。
そのうえで風通しの良いところに保管できるといいのですが、段ボールや専用ケースにしまう場合は、本体と蓋、別々に新聞紙にくるんで収納しましょう。(鉄同士がくっついているとサビます)
ステンレス製ダッチオーブンの保管
汚れや水分を完全に取り除いた状態で保管しましょう。
黒皮鉄板性ダッチオーブンの保管
鋳鉄製同様、風通しの良いところで保管しましょう。
長期間使用しない場合は、本体と蓋がくっつかないように、別々に新聞紙などで包んで保管します。
終わりに:それでも錆びてしまったら・・・
鋳鉄製ダッチオーブンは、手入れを怠ると簡単にサビてしまいます。
また、サビにくいとされている黒川鉄板も、完全に塗膜で守られているわけではなく、肉眼では見えない小さな穴が開いている状態ですので、そこから水分や手の汗などが入り込み、経年変化やサビが発生することがあります。
普段手入れをしていても、うっかり錆びさせてしまうこともあるかもしれません。
ですが、大丈夫!
錆びはできても、何度でも落とし、何事もなかったかのように復活します。
詳しくはこちら↓
今回はダッチオーブンの手入れの方法を紹介してきました。
ここまできてなんですが、方法はひとつではないと思っています。
この記事を参考にしていただき、ご自身の環境に合ったお手入れ方法を見つけてダッチオーブンライフを楽しんでください♪